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少女のアカシック・レコードは後に少女が聖女になることを知っていた。
少女のアカシック・レコードは後に少女が魔女になることを知っていた。
知っていたし、書き換えるつもりもなかった。
それ故に少女は魔女と異端視され、聖女と称えられた。
少女の肩に矢が刺さることを知っていた。年相応に泣き喚くことも知っていた。
書き換えることはなく、時は進んだ。
少女が祖国を救うことを知っていた。その祖国に、王に捨てられることも知っていた。
書き換えられることはなく、時は進んだ。
そうして、少女は生まれた。
ジャンヌダルクとして、この世に生を受けた。
神の御心の元、アカシック・レコードの記述の通り、少女はジャンヌダルクになった。
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