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東の島国では雪の降る季節、少女は生まれた。
特に普通の子だったし、他の子ともこれといった差異もなく、ただの赤ん坊だった。
衣服を纏って生まれてきたわけでもないし、生まれた直後に数歩歩いて言葉を発したわけでもない。
至って普通の、普通すぎる赤ん坊だった。
それでも、少女がジャンヌダルクとして生きることはアカシック・レコードによって決められていた。
否、生まれる前からすでにそれは記されていた決定事項だった。
だから、少女が生まれたことに別段の不思議はない。
そこに至るプロセスに何があろうと、少女は生まれ、ジャンヌダルクとなるのだ。
例えば、逆子だったり、死産しそうなくらいに危険だったとしても。
プロセスはどうであれ、少女は生まれてきたし、プロセスはどうであれ、少女はジャンヌダルクになる。
つまり、大切なのは結果で、結果に至るまでのプロセスは案外に二の次だ。
結果が変わらなければプロセスなんてあってないようなものだし、要するにプロセスは希望であり、これならば儲けものだ程度に特に必要ないものだ。
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