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紀貫之(きのつらゆき)は今から1100年前、平安時代初期の人物です。
貴族であり官司(役人)としても活躍しましたが、彼の名を著名なモノとしたのは歌人としての活躍です。
彼は優れた歌人として活躍し、日本初の歌集『古今和歌集』の編纂にも関わっています。
一説には『竹取物語』の作者なのだともいわれています。いずれにしろ、素晴らしい文筆家であったようです。
――さて、史実では紀貫之は延長八年(930年)から承平五年(935年)まで土佐守を勤めています。
土佐国(現在の高知県)を支配する、現代でいえば知事のような役職でしょうか。一国の主といえば聞こえは良いですが、当時の土佐は未開の地も同然の場所でした。
当時の貴族にとって、地方の守を任されるのは島流しや左遷を意味していました。
紀貫之がそんな辺境の地に飛ばされた理由は定かではありませんが、彼自身は一日も早く都に帰りたいと願っていたようです。
五年間の任期を終えて都に帰る事を許された紀貫之は、その行程を記念に記録する事にしたようです。
そこで書かれたのが『土佐日記』。日本初の日記文学であり、旅行記だといわれています。
しかしただ日記を書くだけでは面白くない。そこで紀貫之は、とんでもない趣向を凝らす事にしたようなのです
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