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数分後、エリックを完全に捕喰したオウガテイルの死体が横たわっていた。
「……ようこそ、クソッタレな職場へ……」
本当に恨めしそうに言って、フードの男は改めてこちらに目を向けてきた。
「俺はソーマ……別に覚えなくていい」
ファーストネームだけ言って、ソーマは目の前の死体に視線だけをそちらにやった。
「言っとくが、ここではこんな事は日常茶飯事だ」
そう告げて、ソーマは肩に担いでた黒と金を基調としたバスターの切っ先をニールに突き出した。
「お前はどんな覚悟を持って『ここ』に来た……?」
覚悟。……それは、どういった物なのだろうか。
ニールが自問し、自答する前にソーマは口元を少しだけ歪ませて――これが彼の笑い方なのだろうか――、突き出した剣を引っ込めた。
「……何てな。時間だ。行くぞルーキー」
そう言って、ソーマはニールに背を向けてこう付け足した。
「……とにかく死にたくなかったら、俺に関わらない事だ……」
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