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しばらくして、春也が城戸に近づいてきた。
「あかねお姉ちゃん、のどかわいた~」
城戸は、キャッチしたボールを投げる手を止めた。
「え?しょうがないなあ、じゃあ帰ろうね、京平くん…ごめんね、春也がのど渇いたって」
『あ、それじゃオレもそろそろ帰りますね』
「えー、帰るの…?帰ってお茶しようよ」
『…そうしたいですね、でも…このままだとキリがないし』
その言葉に、城戸の顔が曇った
「そう、そうだね。あはは…京平くんも忙しいもんね、あはは…今日はどうもありがとう。また、ウチに遊びに来てね!」
「バイバイ、京平兄ちゃん」
『はい、それじゃあまた。』
そう言って、京平は帰った。
「行っちゃった…まあ、仕方ないよね…って、何か変だな…最近の私…」
「あかねお姉ちゃん」
「うん、帰ろうか」
そして城戸も、公園を後にした
「ねえ、春也…お姉ちゃん、楽しそうにしてた?」
「うん、とても」
「そうか、そうだよね…」
緩やかな変化が…やがて勢いを付けて、めまぐるしい変化になるなんて、この時の2人にはまだ分からなかった。
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