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あるところに ぐうたら亭主に蒸発されながらも けなげに生きる 【お満】 という女がおりました。
ある日、一年ぶりの我が家に帰ってきた ぐうたら亭主が見たものは、お金持ちのお屋敷で 住み込みで働くことになったという、お満さんの書いた貼紙でした。
「お満 越したのか……。」
気を取り直した彼は とりあえず そのお屋敷に行ってみることにしました。
その頃 お屋敷で働く お満さん。
「今日は 山に散策に行くとおっしゃるから 頑張って お弁当をお造りしたのに、肝心の旦那様は まだ お目覚めにならないのかしら……?」
有名料亭の板前も びっくりする程の 豪華三段重ね弁当を前に つぶやいているところへ ようやく 寝癖頭の旦那様が 目覚まし時計片手に おなかをぼりぼり掻きながら 現れました。
「お満 こわれてるよ……。」
そんなこんなで 少々遅くなりましたが さあ 出発です。
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