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お満さんは、自分で造ったお弁当の重さに かなり後悔しながらも これもお勤めと覚悟を決め、旦那様のお供です。
ふうふう言いながら 山道を歩いて行くと、お花畑の中を きれいな蝶々が飛んでいます。
「おおっ、お満 コムラサキだ!!」
また しばらく行くと
「お満 苔がはえてるぞ!!」
手ぶらの旦那様は 普段の鬼社長ぶりはどこへやら。
子供のような はしゃぎようです。
お満さんには おかまいなし。
どんどん先へ行ってしまいます。
さすがに疲れたお満さん。
よたよたと重い足を引きずっていると、なんと目の前に かわいい鹿の子供が現れました。
疲れたお満さんをいたわるように 小首を傾げている姿に
「かわいい!!」
思わず撫でようとする お満さん。
「お満 子鹿にさわるな!!!」
旦那様の叫ぶ声と同時に 近くの薮の中から 大きな 母親の鹿が 飛び出してきました。
子供を守ろうと 怒り狂い、今にもお満さんに 襲い掛かりそうです。
絶体絶命 お満さん!!
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