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円錐形のグラスに、薄い紫色の美しいカクテルがなみなみと注がれた。
含みのある笑い顔のまま鮮やかな手付きで、騒がしいおネエサンにカクテルを届けた。
イジワルそうな微笑みを浮かべたタケルが、口を開いた。
「つっても、どーせ意味なんかわかんねぇだろうけど…」
「オレもわかんねぇけど?」
そう言っている間に、嬉しそうな顔の二人が席を移動してこちらにやってきた。
「こんばんは」
了解も求めず、当然の権利のようにカウンターの並びに腰を下ろした。
「素敵なカクテルありがとう。
ここへはよく来るのかしら?」
茶髪をアップにして後れ毛を散らした年かさの方が、満面の笑顔で気取った声で訊いてきた。
「いえ、初めて来ました。
ボクら学生なんで、ここへは社会勉強にきたんですよ」
澄ました顔でタケルが応対した。
タケルの営業スマイルは完璧だ。

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