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「……ぇ…あ…雪?」
うっすら目を開けた咲真からまた涙がこぼれ落ちる。
『うん,雪だよ。咲真…一緒にベッドいこ?』
めずらしくわたしから手を繋いだ。
「夢……?」
『夢じゃないから。ね,咲真。いこ?』
咲真は何度かまばたきをしたかと思えば,空いてる手でおもむろに自分の顔をつねった。
「いって!」
『…何してんの,アイドルが顔に』
じたばたしだす咲真。
「だって!夢かと思って!オレ,雪っ!」
かなり慌てている。
『お前は雪じゃないから。落ち着いて。冷静に』
涙の跡を拭う。
「そういうのなしっ!ちょ…見た……?泣いて…うわ一っ!」
この人は馬鹿なのかな。きっとそうだ。
『涙拭ったのわたしでしょ。見たからこうして起こしたんでしょ?ほら,ベッドいくよ』
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