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わたしたちに拒否権はない。
びくびく,おどおどした『お世話係』を見ることも…少なくない。
ひどいときには,顔に痣をつくった人もいる。
わたし以外の『お世話係』が一体どんな目にあっているか,よくわからない。
それを話すことは基本的にタブーだから。
わたしは咲真の担当。
そうなって1年が経とうとしている。
わたしは,彼に一度も暴言を吐かれたことも,襲われたことも,殴られたこともない。
咲真は裏表がなく,基本的に無表情・無感動なわたしを必死になって笑わせようとしてくる。
そんな様子が年上だけど,なんともかわいらしい。
咲真は『話し相手になって?』『かまってよ?』『あ一そぼっ』…本当にこればっかり。
寝る時間と咲真が仕事をしている以外の時間はほとんど一緒にいる。
ほんの些細なことでも『お世話』しようとするわたしに,それを邪魔する咲真。
そんな関係で仕事。
これが仕事なもんだから…ファンにバレたら刺されること必至だと思う。
ちょっぴり危険と隣り合わせたわたしの仕事です。
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