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「ゆ一き一っ」
コンサートを終えた咲真がバタバタ足音を立ててやってきている。
バンッ
思いきりよく開くドア。
「ただいま一。ねぇ,今日のオレかっこよかったでしょ?!」
汗まみれの咲真がわたしを思いきり抱きしめながら言う。
「そだね一。とりあえず汗べったりだから離れてください。」
腕をまわす…なんてするわけがない。
汗でわたしの服までべたちいちゃう…。
「雪のケチ。」
口だけはそう言うけれど,離れる気配はない。
「お疲れ一」
「お疲れ一っす」
他のメンバーも帰ってきた。
「あ,雪ちゃんまた咲真につかまってんの?」
穏やかに笑いながら拓人くんが聞いてくる。
「咲真って子供だよね一。26なのに。」
冷静に眺める海里くん。
「オレより子供なんじゃね?」
鼻で笑う心くん。
うん。誰でもいいからこいつを離してください。
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