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「いーのっ。雪はこれで一。」
あぁ,これは離す気がないな。
そう察したら,ぎゅっと咲真を抱きしめてあげる。
「そうだね,咲真。わたしはお世話係だから。」
言い終わると同時にばっと咲真が離れる。
「いやっ,違うからっ。お世話係なのをいいことにこんなするわけでないのでねっ?!」
テンパる咲真。
「うん。知ってる。今日は打ち上げあるでしょ?お先に上がらせてもらいます。」
「え?」
間抜け面した咲真を置いてさっさと楽屋から出ようとする。
「や…,今日は早めに終わらせるから…部屋で待っててよ。寝ててもいいから。」
まるで子犬の目。
「…わかったけど。わたし疲れたからホント寝ちゃってるよ。」
「いいよいいよ!雪の寝顔を今日こそ見たい!」
「…起きて待ってる。また後でね。」
そんなぁとか言う咲真の声を尻目に今度こそ場を離れる。
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