咲真とわたしの日常

3/13
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「いーのっ。雪はこれで一。」 あぁ,これは離す気がないな。 そう察したら,ぎゅっと咲真を抱きしめてあげる。 「そうだね,咲真。わたしはお世話係だから。」 言い終わると同時にばっと咲真が離れる。 「いやっ,違うからっ。お世話係なのをいいことにこんなするわけでないのでねっ?!」 テンパる咲真。 「うん。知ってる。今日は打ち上げあるでしょ?お先に上がらせてもらいます。」 「え?」 間抜け面した咲真を置いてさっさと楽屋から出ようとする。 「や…,今日は早めに終わらせるから…部屋で待っててよ。寝ててもいいから。」 まるで子犬の目。 「…わかったけど。わたし疲れたからホント寝ちゃってるよ。」 「いいよいいよ!雪の寝顔を今日こそ見たい!」 「…起きて待ってる。また後でね。」 そんなぁとか言う咲真の声を尻目に今度こそ場を離れる。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!