『それは(きっと)デート』

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「じゃあ、そろそろ次に行こうか」 「うん、そうだねー!」 「コーヒーカップ……?」 イヴが次に行きたいと行ったのは、巨大で回る、毎朝見ている食器。 実はね……恥ずかしながら、この年まで乗ったことないんだよ。 「私ねー?コーヒーカップって乗ったことないんだー」 「あ、イヴもなの? 俺もなんだ」 「そうなんだー。 楽しみだねー」 まあ、乗ったことはないけど、どんなアトラクションなのかは知ってるよ。 ようは、コーヒーカップに座って、真ん中の円盤状のハンドルを回せばいいんだろ? まあ、何が楽しいのかは知らないけど。 しばらくとも言えないほど短時間待ち、俺とイヴはコーヒーカップに乗った。 ……うん、座り心地の少し悪い椅子といったところか。 「じゃあ、回すよー」 「うん」 イヴはハンドルをしっかりと持ち、ゆっくりと―― 「ん?」 ゆっくりと回し―― って! 「イ、イヴ!?」 「えーい!」 は、速い速い! なんて速さなんだ! 周りのコーヒーカップ見てたでしょ? なんでおかしいって気付かないんだよ!? 「イヴ!ストップストップ!」 「え?」 「ストーップ!」 「う、うんー」
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