『それは球技大会』

5/37
1756人が本棚に入れています
本棚に追加
/340ページ
「……すっ、好き!?」 「あれー?違うの? 私は好きだよー」 え、なになにこの展開。 さっきまでエロスイッチ入ってた知佳(今後エロ知佳と呼ぼう。うん)は、赤面業火で狼狽えている。 きっと、あれだな…… エロ知佳を知るものは、この学園では俺と悟志しかいなかったんだ。 それを、転校してきた翌日にイヴに見られて焦っているに違いない。 それはそうとして、イヴが俺を好き? ……まあ、イヴの性格からして…… 「あ、もちろん、ちかも、おーかも、さとしも好きだよー? しんじはちょっと苦手かな……えへへ」 ……うん、そっちの好きだろうね。 そしてきっと、信二の部屋で開かれているであろうエロ本に、信二のくしゃみによる鼻水が付着しただろう。 「……ふう、イヴちゃん相手だと調子狂っちゃうわね……」 「?」 こうして、思わぬ助け船のおかげで、何とかその日も事なきを得た。 ……まあ、知佳がイヴに念入りに他言無用をお願いしていた様は、なんとも珍妙で面白い様だった。 そんなこんなで、球技大会の内容も決まり、1週間の月日が流れた。 今日は、月曜日。 ちょうど今日から球技大会1週間前に入る。 桜坂学園では、練習時間が6限目の後に、7限目というかたちで組まれることになっているんだ。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!