『それは球技大会』

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軍曹は爆風に吹っ飛ばされた。 幾度となく死線を掻い潜ってきた軍曹でも、これだけすぐに敗れるほど、イヴ帝国の理性ブレイカー隊は強力だったのだ――! 「――き?」 「へ?」 我に返った俺が、まず最初に見たのは…… 「……っえぇぇ!?」 すぐさま、イヴから離れようとする。 が、イヴは強く抱きつき、それを許してくれない。 想像できないほどに力強いな…… てか、クラスのみんなからの視線が辛い! 俺が見たもの。 それは、俺の腕の中で、幸せそうな顔でこちらを見るイヴと…… すみません。 俺の胸に押し付けられた、柔らかく大きなお胸様でした。 えっ……俺が抱き締めたの……? 「ゆーきー……なんで離れようとしちゃうのー?」 「なんでって……」 イヴは、より一層力を込めて抱きつく。 「私、嬉しかったんだよー? ゆーきが助けてくれて、そのうえ、抱き締めてくれて」 やっぱり俺が抱きついたんですか……! なんたる不覚! いや、イヴだからとかじゃなくて、お付き合いもしていない女の子に抱きつくなんて…… 「……拒まれる辛さは、よく知ってるから……」 「……イヴ?」 「くるぉらぁぁ!悠樹ぃッ!」 イヴの呟きが耳に届くとともに、やつが復活した。
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