『それは球技大会』

14/37
前へ
/340ページ
次へ
「っし!初球技大会のイヴちゃんが、こんなに気合い入ってるもんな。 俺も気合い入れてやるぜ。 行かせてくれ」 「そうね……この面々だと、個人でするより成果が出そうね」 悟志と知佳は二つ返事。 「桜花は?」 「私は……ちょっと、今回は遠慮させてもらうね?」 それだけ言い残し、1人先に更衣室に駆けていった。 「桜花……?」 「どうしたのかしら……」 「……無理強いするものでもねぇしな。 実際、乗り気じゃない奴もいるし」 たしかに、それはそうだけど…… 勝負事が好きな桜花のことだし、絶対に乗ってくると思ってたんだけどな。 「まあ、桜花にも何か事情があるんだよ、きっと。 とりあえず、今日からしばらく、放課後はイヴの家にお邪魔して練習しようか それでいい?」 「ええ、大丈夫よ」 「俺も」 「決まりだねー!楽しみー」 桜花のことは気になるけど、どうしようもない。 詮索はできないし、俺たちは俺たちで、練習しておこう。 「…………っ」 「こ、これ、家なの……?」 初めてイヴの家を見た2人(2人とも家から遠い為、存在しか知らなかった)は、見事に固まっていた。 「あはは、変なこと聞くんだねー そんなに大きいかなー?」 2人に、イヴが前に住んでいた家はさらに大きいと伝えると、また固まった。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1756人が本棚に入れています
本棚に追加