『それは球技大会』

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「これはこれは、ようこそいらっしゃいました。 私、イヴァレンス様の執事をしております、アルベルトと申します」 「イヴちゃんのクラスメイトの、稜宮 知佳といいます。お邪魔しています」 「向井 悟志です」 門をくぐって庭を少し歩いたところで、木々の手入れをしているアルベルトさんと遭遇した。 「ただいまー」 「はい、お帰りなさいませ。 既に準備は終えていますので、すぐにでも練習していただけます」 ……俺は、超人じみてるのは、ユリアさんだけだと思ってたんだけど…… いや、ルーティーク家の情報網が凄まじいのかな? 「うん、ありがとー」 「いえいえ、では私めは作業に戻らせていただきます」 俺たちはアルベルトさんと別れ、屋敷内の更衣室で、ルーティーク家にお借りしたテニスウェアに着替えた。 イヴの家って、何でもあるんだな…… それと言うまでもなく、知佳と悟志は逐一、驚きの声をあげていた。 規模が規模だからね…… 「すご……」 かくいう俺も、来たのは2度目なのに、こうして驚いている。 そこは、あの広大な庭の影にある、4面のテニスコート。 それと、案外嬉しい、壁打ち用の壁。 申し分ないどころじゃないよ。 これ以上は望めないってレベルだ。
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