『それは球技大会』

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「……『てにもえ!』?」 とてもテニスをするとは思えない服装の女の子が描かれていて、可愛らしい文字で『てにもえ!』と記されてあるパッケージを、信二は自慢気に見せびらかした。 「おう!1週間、寝る間も惜しんで、これに没頭したんだ。 おかげで、俺のレベルはマックス。 全ての技術において、隙はない!」 ついには高笑いし初めた信二。 ど、どこから突っ込んでいいのやら…… いや、あえて調子にのらせておくのも一興かもしれない。 「す、すごいな、信二! 見直したよ!」 「はっはっは!だろ? これが俺の実力だ!」 く、くく…… あまりにも滑稽で、笑いを堪えるのが大変だ……! 「あー!ゆーきー!」 込み上げてくる笑いの衝動を必死に抑えていると、透き通った高い声が、遠く背後から聞こえた。 「イ……「おはよーっ!」 その声の主……イヴは、振り向いた俺に抱きつきながら挨拶をした。 む、むむ胸が顔に……! 「う ら や ま し す ぎ る !」 「キャッ!」 鼻息を荒くした信二に気付き、イヴはより一層強く抱きついた。 ヤ、ヤバイよ!理性要塞と呼吸が……! 「どらぁぁぁッ!」 その時だった。 男らしい叫び声とともに、何かが通りすぎた。
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