『それは球技大会』

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「俺も……俺もだよ! イヴのおかげで、桜花とまた話せたんだ…… 君は俺たちの恩人なんだ。 だから……」 俺は立ち上がり、しっかりとイヴの両手を握る。 「ダメだなんて言わないで……」 「ゆーき……おーか……」 そして……俺たち3人は何も言わず、抱き合った。 周りの目なんて、どうでも良かった。 ごめんね、桜花…… そしてありがとう、イヴ。 イヴは、本当に不思議な子だ。 人一倍無邪気で 人一倍天然で 人一倍感受性が高くて 人一倍優しい。 桜花は言った。 俺がイヴのことが好きなのだ と。 確かに、俺の中でイヴは、特殊な存在だ。 それは先に述べた不思議な要素だけでなく…… やっぱり、あの絵画の天使に、とても似てることもあると思う。 だけど…… きっと、恋心なんかじゃないはずだ。 あえて言うなら―― そう。 空を舞う天使の美しい姿に心を奪われた、ヒトのような…… 手の届かない存在に見とれているような感じだ。 ん?手の届かない? ……俺は、無意識に、イヴとの間に距離を感じているのか? 分からない。 何もかも、分からない。 分からないよ、桜花…… こんなモヤモヤした気持ちのまま、確実に時間だけが過ぎていった――
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