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このときは、すんなり事が進んだんだ。
しかし、桜坂には、唯一にして最強の邪魔がいるだろ?
そう。ヤツだよ。
その翌日。
俺とイヴと桜花とで、いつものように登校している最中……
「よー悠樹」
後ろから、そのヤツに声をかけられた。
「……信二か。
朝から、傍(はた)迷惑な……」
「な、なんだよ!?
話しかけただけじゃないかよ!」
「用件無いなら絡まないでくれよ。
イヴと桜花に毒だから」
そう言って、俺たちは再び歩を進め――
「ま、待てって!」
「ちょ……触るなよ!」
いつになく、しつこい信二。
それも、女の子ではなく俺に。
一体全体、なんだってんだよ。
「まあ落ち着け。
そしてこれをプリーズルック」
うざい……
しかし、その手に握られているものは、到底看過できないものだった。
「こっ、これは……?」
「へへっ……昨日、偶然生徒会室での会話を聞いちまったからな。
全力を振り絞って入手した!」
きらびやかな装飾が施された紙。
そう、あの遊園地のチケットだ。
しかも、日付まで同じ。
破ってやりたいけど、高いものだから、そこまではできない……
くっ!どうすれば……
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