『それは(きっと)デート』

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「私が間違っていました。 このチケットをお譲りします」 「ご快諾ありがとうございます」 こうして、俺たちの邪魔は排除された。 「ヒャッハーッ!こうしちゃいれねぇ! エ ロ ゲ が 俺 を 呼 ん で い る!」 気持ち悪いスキップで、目にも止まらぬ速さで、信二は来た道を逆走していった。 「あんなあからさまなサボりを止めなくていいの? 生徒会長さん」 「桜花……分かってて聞いてるんでしょ? 全校生徒の為を思うなら、むしろ止めないべきだ」 それに……心優しいイヴは口にしていないけど、相当怖がっていたはず。 最善の選択だっただろう。 ――とまあ、こんな感じで、俺とイヴとのデート(悟志曰く)は決定された。 「じゃあ、行ってきまーす!」 「行ってきます」 「楽しんできてね~」 ユリアさんに見送られて、俺たちはルーティーク邸を後にした。 俺の手をしっかりと握るイヴは、楽しそうに鼻歌を歌っている。 そんなイヴは、白いワンピースの上からカーディガンを羽織り、薄茶色のロングブーツという服装。 春っぽいね。 俺は、ハイカットのスニーカーとチノパン、インナーは普通のシャツで、アウターにパーカーといった服装。 全部、悟志のコーデですよ。 まあ、ファッションとかは、昔から全て悟志に任せっぱなしなんだよね。
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