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「……?変なのー」
こんな場所で、自分たちは見られているかもしれない、なんて自意識過剰にも程がある……
たしかに、俺って変かも。
「俺って、変?」
今、自分が口にした言葉に、俺は驚いた。
何気ない質問。
だけど、こんな……自分について訊ねるようなこと、した覚えはない。
無意識にイヴをとても信頼しているのか、それとも……
――イヴのことが好きってことだよ――
「今のゆーきは少し変だったけど、そんなゆーきも好きだよ」
不意に思い出した桜花の言葉に被せるように、イヴが答える。
ドキン……まるで身体全体が心臓であるかのように、脈打ってる。
「あれー?ゆーき顔赤いよ?」
「だっ、大丈夫大丈夫!」
お、俺、ホント今日はどうしちゃったんだ……
異常にイヴを意識してしまう。
「……えへへ」
「はうっ」
そんな俺に、イヴの追い討ち。
腕に頬っぺたをすりすりする攻撃!
か、かかか可愛すぎる……!
小動物みたいで、守ってあげたくなる衝動に駆られる。
もう一度自問しよう。
今日の俺はどうしたんだ……!?
「あっ!あれだよ、ゆーき!」
そんなバカップルみたいなことをしているうちに、ハムレットの森が見えてきた。
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