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「ゆーきは、ぬいぐるみ好き?」
「うん、好きだよ。
これでも、昔は作ったりしてたよ」
今でこそ、恥ずかしいから無いけど、部屋にぬいぐるみを飾ったりしてた。
「ホントー!?
でも、イメージぴったりだなぁー」
「俺、イヴから見たらぬいぐるみ作ってそうなの?」
「うんー!」
それって、喜ぶべきことなの?
「でも、そんなに上手くないよ?」
「ママが言ってたよ。
愛情は形に現れないって。
ゆーきのぬいぐるみも、きっと愛情が込められた可愛いぬいぐるみだと思うなー」
や、ヤバい……!
「ゆーき?」
再び真っ赤になってしまった顔を隠す為に、俺はイヴに背を向けた。
イヴの無邪気な笑顔を見ていると、顔が熱くなる。
これは、もしかしなくても――
「ゆーき……さっきもだったけど、ホントに大丈夫なの……?」
「だ、大丈夫。
心配させてごめんね」
……行き着いた答えは、鈍感な俺のことだ。間違っている可能性は十分にある。
でも、巷で聞く限り、それに違いないと思う。
桜花の言ったことは、きっと合ってたんだ――
「良かったら、また今度ぬいぐるみ作ろうか?
世界でただひとつ、イヴの為のぬいぐるみを」
「ホントにいいのー!?
やったぁー!」
「ち、ちょ……イヴ……」
抱きついてくるイヴにまた顔を赤くしながら、俺は先ほどの思考を払拭した。
やめよう。
俺の本心はどうあれ、今はイヴとの時間を純粋に楽しもう。
思考の審議は後にでもできる。
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