我が野球のない土曜日

7/15
前へ
/26ページ
次へ
それから俺は1時間ぐらい数学の応用問題に取り組んだ。 得意教科だからか、かなり集中でき、達成感を感じていた。 (…で、美沙姫はどうするか) そう思い、ベッドに近づいた。 部屋の訪問者、白雪 美沙姫はまだ寝息を立ててぐっすり寝ている。 これほどぐっすり寝るからには、昨日の夜は相当寝れなかったんだなと思う。 早く起きて欲しいというのが俺の本音なのだが、無理矢理起こすのは俺の良心が許さないというものだ。 (…もうしばらく寝かせとくか) と、思った瞬間、 「ん~…」 「おぉっ!?」 美沙姫が寝返りを打ち、変な声が出て、反射で身を引いてしまった。 そして、机に腰をぶつけ、大きな音が出てしまった。 (い、いけねぇ…) いつもはクールで通ってる俺なのに…! 屈辱だ、くそっ… 「ん… うるさいよぅ…」 ま・じ・か!? 寝言でうるさいって言われちまったよオイ! ってか美沙姫が寝返りなんて打つからだぜ? まぁ、ビビり過ぎた俺も悪いけどな。 「うるさいから起きちゃったんだよ…」 「起きてるのかよ…」 何とも言えない罪悪感に襲われた。 俺は悪くないけどな? 寝返り打った美沙姫が悪いんだからな!?  
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加