我が野球のない土曜日

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「あ、まだ寝てていいぞ? 寝不足なんだろ?」 「うん。 でも、キヨに悪いし。 そろそろ姉ちゃんの彼氏が…」 「姉ちゃんの彼氏?」 まさか、泊まりか!? 彼氏さん家に呼んじゃいました的な!? 「やばっ…」 「え?」 「あ、あー。 急用思い出しちゃった! 家に帰ら…」 逃げようとする美沙姫の腕をガシッと掴む。 もちろん、理由を聞くためだ。 ベッドを貸した俺の権利だ。 「き、キヨ?」 言っておくが上目遣いなんて俺には価値ないぜ? ぶっちゃけ可愛いほうだけど、何年お隣さんやってるか分かってるよな、美沙姫。 今更通じやしないんだよ。 だから、 「逃がすか!」 「やー! 放してー!」 ふっ、無駄な抵抗よ。 真面目にテニスをしてなかった美沙姫の筋力で、俺から逃げようなんて甘いというものよ。 「諦めろ。 お前じゃ逃げられない」 「諦めないーっ!!」 無理矢理俺から逃げようとする美沙姫。 …だが、 「やっぱ無理かぁ…」 「当たり前だ。 俺を舐めてもらっちゃ困る」 「だよねぇ… キヨだもんねぇ」 一応、元はプロも視野に入れてましたから、はい。  
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