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俺が遭った事故は、飲酒運転が原因の交通事故だ。
車を運転していた人が、酒を飲んでいなかったら、あの事故は防げた筈(はず)だ。
何度も何度も、その運転手を恨んで、憎んだ。
でも、何も変わらなかった。
現実を見るしかなかった。
事故の後、俺は10日間意識が無かったらしい。
目を覚ますと、俺の右肩はグルグル巻きにされていた。
医者からは、複雑骨折だと聞いた。
そして同じ時に聞いた。
「その肩では完治しても、もう決してボールを投げられないだろう」と。
自分の運命を憎み、恨み、嘆いた。
(…過去は変えられない。 だったら、今何をすべきかを考えるべきだ)
気持ちを切り替え、勉強に集中を寄せる。
しかしながら、目の前にあるのは苦手教科・古典の問題集。
「分からん…」
俺は理数系だ。
古典はナンバーワン苦手教科である。
「1年生からやり直したいぜ、こん畜生が…」
本気でそう思う。
正直、かなり厳しい。
しかしながらそんな都合のいいことは無かったりするわけで、必死こいて教科書見て勉強するしかないんだ。
そんな時、部屋の窓ガラスがコンコンと音を立てた。
(美沙姫…?)
…しかあり得ない。美沙姫というのは、俺の幼なじみである雅 美沙姫のことだ。
その美沙姫がどういう用件なのだろうか。
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