幼少時代

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そして今は父さんに呼び出されて家にある道場にきている。 「ヴィル、今日はよくハンナちゃんを守ったな。それでこそストラフォード家の長男だ」 かなり威厳のある話し方をしているが、顔にあるひっかき傷やボロボロになった服が全て台無しにしている。 なんだか悪いことしたな…。まあいっか、父さんだし。 「ところで父さん…。僕に武術教えてよ」 「武術か…。いいだろう。魔法はまだ教えられないけどな」 この世界では五歳になると属性検診というものがあって、それが終わらないと魔法を使うことは禁止されている。 どっちにしても魔力が安定しないから魔法使えないんだけど。 「とりあえず最初は基礎訓練からやるか。ついてこいヴィル」 基礎訓練か…。神に身体能力をもらった俺にとっては必要ないけどな… 「もう無理です…」 はい。ついていけませんでした…。 だって、全力で20キロ走ったんだよ!? 普通そんなに走らせないよ!? 俺って3歳とは言え全力で走ったら普通の大人より速いんだよ? なのに父さんまだ汗一つかいてないし。 「なんだもう限界か…。父さんがお前くらいの時には軽く30キロは走ってたぞ」 なんだか今更になって後悔してきたよ。 とにかく、こうして父さんとの訓練の日々が始まった。
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