幼少時代

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ようやく俺たちの順番が回ってきた。そこそこ広い部屋の中心に机と水晶だけが置いてある。 その横には七三分けに黒縁めがねという、いかにも役人って感じの人がたっている。 「こっちに来なさい。順番に手をこの水晶にかざしなさい」 どうやらこの水晶は手をかざすだけで属性と魔力量がわかるらしい。 「ハンナ先にやっていいよ」 やっぱりレディーファーストだよね。 「うん。じゃあ行くね」 ハンナがそう言って水晶に手をかざすと透明だった水晶が次第に白と赤が混ざったような色に変わった。 「ほう。光と炎属性ですか…。珍しい組み合わせだね」 役人はハンナの属性に少し驚いたような反応を見せて書類になにかを書き込んだ。 「次は君だね。さあどうぞ」 俺は促されるまま水晶に手をかざした。すると、白と黒が混じり合った色に変わった。 「ひ、光と闇属性だって!?こんなの見たことないぞ」 何故か急に役人は取り乱し始めた。 どうしたんだろ?とりあえず早く帰らないと母さんが怖いな。 「じゃあハンナ、帰ろうか?」 「えっ?あ、うん」 ハンナは役人が取り乱しているのに呆気にとられているようで部屋を出るときまで役人の方をみていた。
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