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「それでは始め!!」
全く知らない人のかけ声で試合が始まった。
試合開始と同時にバルトは武器である大斧を魔法で呼び出して切りかかってきた。
う~ん、まあまあ動きはいいんだけど、動きが雑だな…。
俺は使い慣れた大剣を呼び出すと男の大斧を片手で受け止める。
今の状態は大男が両手で大斧を叩きつけているのに、それを子供が片手で防いでいると言うものだ。
試合を見ている人たちからは笑い声と野次が飛び交い始めた。どうやら周りの人たちはバルトが手を抜いていると思っているらしい。
だが、バルトは全力を出しているのか、次第に顔が真っ赤になっていく。力比べは分が悪いと思ったのかバルトは一度引くと距離を取って呪文を詠唱し始めた。
「魔力よ矢となり敵を貫け【フレイムアロー】」
バルトが詠唱を終えると炎でできた矢が数十本現れ俺に向けて放たれた。
なんだか避けるのも面倒くさいな。サクッとやっちゃうか…。
「闇より現れし数多の刃よ敵を蹴散らし道を切り開け【ダークスライサー】」
俺が魔法を唱えると闇の魔力でできた刃が現れ、バルトの魔法を打ち消し始めた。
ちなみにバルトの魔法は初級で俺のは中級である。まあこのくらいでちょうどいいだろう。
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