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ギルドに転移した俺は黒いローブで顔を隠した。ギルドSランク「闇夜の白光」の正体は一般には知られていないからだ。
突然Sランクに昇格した「闇夜の白光」の正体は、緊迫状態にある帝国にとっては大きな脅威であり、正体がバレたら暗殺の危険性があるためである。
俺を暗殺出来る人物などいないと思うけど、当時のマスターが今後のことを考えて正体を隠してくれた。いちいちギルドに来るたびに顔を隠すのは面倒くさいけど、おかげで普通に学園に通えるので感謝している。
「お待ちしてました。マスターからの指令書です」
そう言って屈強そうな男が書類を渡してくる。この男は俺がギルドに入った時に戦ったバルトという男だ。
俺に負けたのが悔しかったのか、あの日から会うたびに模擬戦を挑まれ、返り討ちにしているうちにいつの間にか俺の部下になっていた。
今では俺の右腕といえるような存在になっている。
「だいたい状況は把握した。俺は明日も学園があるんだ。今すぐ現場に行って片付けるぞ。バルト着いてこい!!」
「わかりました!!」
その後、魔物を簡単に蹴散らしたあと、後始末はバルトに任せて俺は学園に戻った。戻った頃にはすっかり日が落ちていた。
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