2104人が本棚に入れています
本棚に追加
俺がエノブストに転生して三年が経った。俺のこの世界での名前はヴィクトール=S=ストラフォード。パルス国の貴族、ストラフォード家の長男として生まれた。
ストラフォード家は田舎町ノータムの土地を代々受け継ぐ貴族で、階級を気にしない家風によって住民から大きな信頼を得ている。
てか、貴族の長男ってなんか格好いいよね?
「お~い、ヴィル~。遊ぼ~!!」
あっ、そう言えば友達もできたんだ。それがこいつ。名前はハンナ=ティツィーナ。金髪をポニーテールにしている元気な女の子だ。
田舎のノータムで唯一俺と同じ年に生まれた。その縁から俺たちはいつも一緒に遊んでいる。
ちなみにヴィルって言うのは俺の愛称ね。
「ハンナはいつも元気だなぁ。今日は何して遊ぶの?」
「え~と、いつもの場所にいかない?」
いつもの場所とは、ノータムの近くにある小高い丘のことだ。魔物が出ることもないのでだいたいはそこに行って遊んでいる。
「いいよ!!」
「ほんと!?じゃああそこまで競争ね!!」
そう言ってハンナは一足早く走り出した。その後を俺も走って追いかける。
もちろんかなり手加減してる。前に一度ハンナより先に丘に着いたら号泣されてしまったからね。
やっぱり女の子に泣かれると嫌だもんね。
最初のコメントを投稿しよう!