幼少時代

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俺がエノブストに転生して三年が経った。俺のこの世界での名前はヴィクトール=S=ストラフォード。パルス国の貴族、ストラフォード家の長男として生まれた。 ストラフォード家は田舎町ノータムの土地を代々受け継ぐ貴族で、階級を気にしない家風によって住民から大きな信頼を得ている。 てか、貴族の長男ってなんか格好いいよね? 「お~い、ヴィル~。遊ぼ~!!」 あっ、そう言えば友達もできたんだ。それがこいつ。名前はハンナ=ティツィーナ。金髪をポニーテールにしている元気な女の子だ。 田舎のノータムで唯一俺と同じ年に生まれた。その縁から俺たちはいつも一緒に遊んでいる。 ちなみにヴィルって言うのは俺の愛称ね。 「ハンナはいつも元気だなぁ。今日は何して遊ぶの?」 「え~と、いつもの場所にいかない?」 いつもの場所とは、ノータムの近くにある小高い丘のことだ。魔物が出ることもないのでだいたいはそこに行って遊んでいる。 「いいよ!!」 「ほんと!?じゃああそこまで競争ね!!」 そう言ってハンナは一足早く走り出した。その後を俺も走って追いかける。 もちろんかなり手加減してる。前に一度ハンナより先に丘に着いたら号泣されてしまったからね。 やっぱり女の子に泣かれると嫌だもんね。
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