幼少時代

4/10
前へ
/68ページ
次へ
「お、お父さん…。どうしてここに…?」 「魔物がこの辺りで目撃されたって聞いたんでよ。お前たちが心配だったんだよ」 俺たちの危機を救ってくれたのはベルンハルト=S=ストラフォード。この世界での俺の父親だ。 父さんの手には真っ黒で大きな鎌が握られている。これは父さんの魔武器で名前はアドロフと言う。 ちなみに父さんはパルス国のギルド、「銀翼の天使」のSランク保持者である。二つ名は武器の見た目から"漆黒の死神"である。 「今日はもう家に帰りなさい。こんな日に遊ぶのは無理だろう」 父さんにそう言われて素直に俺たちは家に帰った。流石にこれ以上遊ぶ気になれないし、何よりハンナの震えが尋常じゃなかったしね。 その後俺が家に帰ると、玄関で待っていた母さんが飛びついてきた。 「ヴィル!!怪我はない!?」 母さんの名前は、イザベル=S=ストラフォード。母さんも銀翼の天使のギルド員でランクは父さんよりも上のSSランク。二つ名は「癒やしの聖母」。 国の中でもトップクラスの強者なのだが、一人息子の俺のことになると見境がなくなる。その分、父さんに対する態度はかなり厳しい。
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2104人が本棚に入れています
本棚に追加