伊東くんの恋

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ドッペルゲンガーってなんなの? 瓜ふたつ。もうひとりの、じぶん。あったら死ぬってほんと? 罪な人ほど、うーむ、美しい。僕の隣で微笑む人。 柏原加奈さん。 カノジョは、僕を、「会社の夫」 と、よぶ。 「じゃあ、あなたとうちのが、出会ったら、どちらか死んじゃうの?」 「そんな訳あるはずないでしょ!」 「だって~、瓜ふたつよ~」 ありえないことは、ないかな。 「わかった!あたしの取り合いで、決闘するんだ~。」 「しません!」 「えーしないの~」 「自身過剰~」 「わかった。負けるのこわいのね。」 「負けませんよ。」 「どうかなー」 どうかな? 思う気持ちは負けてません!っていいたいよな。 「うち、来る?」 「いきません!」 「そうよね。あたしもふたりとも、死んでほしくないわ。」 「そうです!」 って、だから、ドッペルゲンガーちゃうし、こら! 美しいなぁ。笑顔。ほんと、旦那がうらやましい。僕と違う、同じ顔-背格好も、の男の妻の。 「だって、ね。伊東くんが、いてくれるから、うれしいんだもの。」 「!」 「会社にいても、あの人がいるみたいで、安心なんだもの。」 柏原加奈さん。あぁ、あらゆる意味で、方向から、 僕を殺すのは、あなたの夫じゃない。 僕を殺すのは、あなただ。 そう、それは、そうなるなら、僕は本望だ。 そして、あなたの夫とて。 あぁ? やっぱり・・・ ドッペル・・・?
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