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愛莉の件があってから、数日経った。私は相変わらずの生活を送っている。お昼3~4時頃に起きて支度をして、8時から出勤して、夜中3時に仕事を終えて、行きつけのダーツバーであるアクアでご飯を食べたりダーツをしたり。変わらない日々。 何かが違うと言えば、新しいボーイさんが入ったことと、毎日のように真一君とのメールを楽しみにしているくらいだ。 そして今日、二人の休みが合致した水曜日。一緒にディズニーシーに行こうという話になった。私がテーマパーク好きという話から発展し、一緒に行ってくれる相手がいないと話すと、もちろん俺が付き合いますよ!と言ってくれた。 ここ2年ほど、男の人とは遊びだけの関係だった。友達以上恋人未満という関係の人たちが何人かいて、人恋しくなると彼らに連絡を取る。 そんな寂しい男付き合いを送っていたが、彼は違う。一緒にご飯を食べて、お酒を飲んだとしても、体の関係を要求することはない。 本当に健全な付き合いをしている。この関係が私にとっては新鮮であるからこそ、彼とメールをすること、一緒に食事をすることが楽しみになっているのかもしれない。 「久しぶりだな・・」 何年ぶりの舞浜駅だろうか。学生の頃は月に一回のペースで友達と遊びに行っていたが、夜の仕事を始めてからは1度行ったくらいではないだろうか。 平日であるというのに、舞浜駅には待ち合わせをしているグループやカップルがいた。よくよく考えると、一部の大学生はまだ夏休みだったはず。平日なら何時間も並ぶことなく乗り物に乗れるだろうと考えていたが、同じ考えを持った人たちが今日、遊びに来ているのかもしれない。 私は携帯灰皿を取り出してから煙草に火をつけた。舞浜駅改札前にあるディズニーリゾートの案内板付近に腰をかけ、彼が来るのを待った。 すると、いつものように音楽を聴いていたのだろうか。白のヘッドホンを首にかけた真一君の姿が改札から出てくるのが見えた。 目を細めながら周囲を見回している。そういえば、視力がそんなに良くないと言っていたっけ。
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