《偽善者の悪意》

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近くで古いアパートを借り富子と一緒に住む弟は通いで仕事に来る‥聞く話しは富子の愚痴ばかり結局別居はしたが富子は自分の事しかせず弟は毎日実家でメシを食べ風呂に入り富子の待つ家へ帰って行った。 そんな生活が当たり前になった頃、清枝の結婚が決まった。 相手は兵庫県に住む谷口昇司と言う男性‥この島に遊びに来た時に清枝と出会ったらしい。 この谷口昇司と清枝の間に産まれたのが昇だった。 清枝の夫(昇司)はとても出来た男で事業を成功させ島にある古くなった清枝の実家を新築に建て替え両親の老後の事も考え家賃収入にと高台にアパートも建ててくれた。 そんな坂田家族の幸せを嫉んでいたのが坂田富子だった。 夫(弟)は毎日仕事に行きあの綺麗な新築の家でご飯を食べ風呂に入って帰ってくる。 家族を悪く言って家を出ている富子は近づく事も出来ない。 自分だけが古いアパートに朝からずっと一人。 清枝の夫がもたらしてくれた恩恵を一切受ける事が出来なかった。 そんなある日。
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