《偽善者の悪意》

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皮張りのソファーに深く座り踏ん反り返る私。 その横に浅く小さく座る夫。 向かいに坂田富子とその上司。 夫のポジション微妙やのぉ~ まぁええわ‥とりあえず… 上司のネ-ムプレートを確認。 『片野さん‥今からする話しってお金の話しなんですわ』 『関わりたくないんやったら今のうちに出て行ってもらえますか』 まずは上司の立ち位置を計る。 正直この上司がいた方が私は楽なのだが話しに首だけ突っ込んで知らぬ存ぜぬでは説明するだけ時間の無駄。 まずは明確な意思確認をとる。 『聞きます…』 いや‥聞きますて… 『聞くや聞かんやの話ししてんちゃうんですよ‥今からする話しを片野さんも聞く言うんやったら、もう知らん振り出来ませんで!って話しですわ』 押し黙り沈黙する上司、何かを考えている様だ。 こいつは富子にとって弱点やからの… ちょっとプライド触るか… 『考えはるんやったら止めといた方がええんちゃいます‥今回の件は多分片野さんの手に負えませんは‥富子さんと旦那さんに仲良く解決してもらいます…』 これでどやろ… 富子とほんまに出来てんやったら男として引けん所やけどな…♪
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