《偽善者の悪意》

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『片野さんは関係ないです』 富子が割って入る。 関係ないんぐらい知っとるわい… 富子を無視し上司を見つめ目で訴える。 あんたの判断やぞ… 『わかりました‥聞くからには最後までキッチリさせてもらいます…』 キッチリか‥もっそ曖昧な表現やけど… 何かを決意した様な目でこちらを見据える上司。 よろしい…♪ 富子はただ逃れたいバレたくないの一心で上司をこの場から外そうとしたはず。 しかし上司はそんなしたたかな考えがあるのも知らずに富子と関係のある男として助けるつもりでこの場に留まろうとしているのだろう。 あ~ぁ… ほんまに惚れとるがな‥富子の本性知らんのはこいつだけか… 可愛いそうに… とりあえずこれで上司の言質は取れた。 ここまで言うて逃げる事はないだろう。 これまでのいきさつ富子と夫が犯した罪、住所詐欺、名義詐欺、職権乱用全てを余す事無く説明する。 これがあんたの惚れた女の正体やで…
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