《黒服の紳士》

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お屋敷と言っても過言ではない立派な家。 その向こうには終わりの見えない一面に広がる田んぼ。 地平線見えるで… ホンマにのどかや… 前回もそうだったがいつもなら訪問前に必ずする近隣調査(在宅時間、家族構成、仕事の有無、人間性の調査)だが、この家に関して言えば近くに家がない。 と言う訳でいきなり訪問する。 前も会えてるしな… 母屋に向かおうと裏口より庭先に回り角を曲がったところで私の目に飛び込んだその光景に思わず足が止まった。 なんじゃあれ… 前回と明らか家の雰囲気が違う。 遠目からは気付かなかったが無数に開いた壁の穴に息を飲む。 何があったらあんな事になるんや… 完全に廃墟やんけ… ホンマに飛んでもうたんか… 玄関引き戸を少し触ってみると鍵が空いている。 中はどうなっとんやろ… 少しだけ開いて見ると意外と何も無い、サンダルとスニーカーが普通に並ぶ。 なんや‥ちょい廃墟探索の気分になってもうてたがな… 住んどるな…
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