《黒服の紳士》

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『泊村さ~ん!!』 『泊村克司さ―――ん!!』 返事ないな… 不在か… 『お―――い!!誰もおらんのかぁ~!』 大声で呼んだ後、耳を澄ます。 んっ…? なんやこの音… 一定のリズムを刻むモ―タ―音が微かに聞こえる。 家の中ちゃうな… 玄関を出て音の出所を探しに母屋と倉庫の間を抜けて行く。 無駄に広い家やな… 通路を出た先で私の目に飛び込んできたのは無数に干された洗濯物たちだった。 何人家族よ… 風にはためくタオルやシャツ、その向こうに動く人影を発見。 なんや洗剤のCMみたいやな… あれ‥おかんや… ごそごそ動く母親の姿から先程のモ―タ―音の正体が判明した。 洗濯機かいな… とりあえずおかんに話し聞くか… 『おはようございます』 後からになるので出来るだけ優しく丁寧に声を掛ける。 ビックリされて心臓止まってもたら困るし…
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