18427人が本棚に入れています
本棚に追加
ポカポカとした陽射しの中、縁側に座る私と小さなお婆ちゃん。
自然と会話も緩む。
『あれどないしたん…』
洗濯物を指差し尋ねる。
『昨日、やっと電気代をね…』
はぁ‥ほうか…
電気止まって洗濯出来んかったんや…
『大変な…』
『うん…』
ついでに壁の穴の事も聞いてみる。
『あれは克司がね…』
『なんでぇな?』
『風通しが悪いて土壁を削ってしもたんよ』
風通して…
頭いってもうてるがな…
余裕と思っていた回収に若干不安を感じる。
すぐ降りてくると言っていたがいっこうに降りてくる気配が無いのも気になる。
私は母親を縁側に残し母屋に向かった。
裏口より大声で名前を呼ぶ。
『克司さ―ん!まだ~?』
ガサゴソと2階から物音が聞こえる。
『ちょう聞いてんか~!!』
返事が無いのにイラつき再度声を掛けると無駄に軽い陽気な声が返ってきた。
『無理で~す』
何が無理やねん…
最初のコメントを投稿しよう!