《黒服の紳士》

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『アホか何が無理やねん!降りて来い!!』 てっきり金が無いから無理と言ってると思い強めに言うと。 『服が無―――い』 と拍子抜けの返事。 おかんが全部洗ってもうたんか… 『裸でええから降りて来んか~い』 段々やり取りがアホらしくなってきた。 返事は無いが階段を降りてくる足音が聞こえる。 しかし下に降りて来たところで足音はこちらへ向かわず違う方向へ。 何をしとるんや… 面倒臭くなり家の中に入って良いか母親に確認しようと振り向いた瞬間、私が覗いて話しをしていた勝手口の横の窓が勢いよく開き何かが飛び出してきた。 なんじゃっ!! ビックリしてのけ反る私。 そこには上下黒のビニール袋を纏った男が立っていた。 克司や…!! ビニール袋に穴を空け上手に顔と手足を出している。 工作やな… 私が近づいて話しをしようとするとビクッと反応し後ずさる。 いや‥ちょっと待て‥なんでお前がビックリ顔やねん…
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