3~decision~

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奇しくも、バレンに落とされた時と同じ状態になってしまった訳だ。 「……………………」 何もすることがなく、ただ何もせずに天井の木の模様を見る。 少しだけ肌寒い空気から守るため、薄い毛布のような掛け布団で体を覆いながら、何も考えていない頭でふと、そんなことを思った。 「…こんなに何にもしないで何にも考えない時間って…いつぶりなんだろ」 色々なものに急かされ、鬼であるという状況から、心が休まる時など無かった。 ルーさん達と出会ってからも心配の連続で、ゆとりはできたが、やはり常に気疲れしていたと言っても過言ではなかった。 これほどまでに何もせず、何も考えないでいる状態。 もしかしたら、初めてのことかも知れない。 「………………」 そう思うと、今の状況というのも悪くないかも知れない。 明日の朝には起きるから。 今晩だけ、この夢みたいな状況を感じさせてはくれないか。 「…………」 知らないうちに、瞼が閉じていたらしい。 自分でも気が付かないほどすんなりと、俺は夢の世界へ旅立っていた。               ▼
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