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「…なんであんたが可愛い同い年の幼なじみの女子じゃなくて、ここが自宅の俺のベッドじゃないのか、ここまで不思議に思った事はない」
「私が幼なじみとか何言ってるんですか?気持ち悪いですよ」
「あんたも十分気持ち悪いよ」
「何言ってるんです?青年男性である私は、同じ青年男性である健介さんの寝室に侵入し、その寝顔を見たり頬を突っついたりしていただけですよ?」
「十分過ぎるわ。ていうか、いつまで頬指してんだ!」
ウィルバーの手を振り払い、やっとこさ体を起こした俺。
起こしに来てくれるのはミロだろうと高をくくっていたらこの始末。
ひどい。かなり最悪な部類の起床になってしまった。
お陰で頭は完全に覚醒したが。
「目が醒めましたら下へ下りてきて下さい。もうすぐ出発ですよ」
手を振り払われたウィルバーだか、それに関しては何も感じていないのか何のリアクションもなく、そのまま静かに部屋を出て行ってしまった。
何がしたかったのか、と一瞬頭を掠めたが、俺を起こしたかったのだと再認識。
やり方はどうあれ、目的は達成したのか。
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