4~discovery~

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運転と言うのかは分からないが、馬車に乗る担当はプルーストなのかも知れない。 荷台に座りながら、二重人格は意外と便利なのかも知れないと思ったりもした。 「そのままお乗りになられましたけど、準備の方は大丈夫なんですか?」 馬車に寄ってきたウィルバーが、俺に話し掛ける。 出発だと言うから乗ったが、確かに準備らしい準備を何もしていない。 そもそも、俺はまだ起床から十分と経過していないのだが。 「準備しなきゃいけないようなもん、俺は元々持ってないよ。今まで必要な物は、せいぜい片手で持てるだけしかなかったから」 「……そうですか。では…大丈夫ですね」 怒っているのか喜んでいるのか、寂しがっているのか心配しているのか何とも言えない笑みを浮かべ、ウィルバーはプルーストの方へ向かう。 夢のような安息の時間は終わった。 これから一体どのような苦難が待ち受けているのか、想像もつかない。 しかし、どんな苦難であろうとも、どんなに辛いことであっても乗り越えてみせる。 乗り越えなければならない。 主人に仕える、忠実な犬として。               ‐
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