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早朝、何もせずに揺すられ続け、お日様が活動を始めている。
この旅の最初の敵は、睡魔という名の悪魔だった。
「……」
荷物はちょうど荷台の左右に置かれ、真ん中が人一人が横になれるだけ空いている。
まさにここに横になれと言わんばかりに。
「………」
いや、寝ている場合ではない。
これから起こる様々な問題について、考えなければならないことはゴマンとあるのだ。
それに、条件はプルーストも同じ。
俺だけ寝るなどということをするわけにはいかない。
頭を使え。今の俺にだって出来ることはあるはずだ。
例えば、こうして俺は何も考えず荷台の中で座っているが、はたしてこれでいいのだろうか?
馬の気持ちになってみろ。
荷物は揺れないで、固まっていた方が運びやすいんじゃないか?
座っているなどという不安定な姿勢では、馬に失礼か?
ならば俺が一番安定していられる姿勢でいる方が良いはず…。
そうだ。横になろう。
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