4~discovery~

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早朝、何もせずに揺すられ続け、お日様が活動を始めている。 この旅の最初の敵は、睡魔という名の悪魔だった。 「……」 荷物はちょうど荷台の左右に置かれ、真ん中が人一人が横になれるだけ空いている。 まさにここに横になれと言わんばかりに。 「………」 いや、寝ている場合ではない。 これから起こる様々な問題について、考えなければならないことはゴマンとあるのだ。 それに、条件はプルーストも同じ。 俺だけ寝るなどということをするわけにはいかない。 頭を使え。今の俺にだって出来ることはあるはずだ。 例えば、こうして俺は何も考えず荷台の中で座っているが、はたしてこれでいいのだろうか? 馬の気持ちになってみろ。 荷物は揺れないで、固まっていた方が運びやすいんじゃないか? 座っているなどという不安定な姿勢では、馬に失礼か? ならば俺が一番安定していられる姿勢でいる方が良いはず…。 そうだ。横になろう。               ‐
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