1~restart~

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「…………」 三人が落ちた後、バレンの背後には、白い学ランのような服を着た、若い男が現れた。 「──ようバレン。交渉失敗か」 男は左手に洋刀、左肩に大きなバッグ、右肩に細長いバッグを下げていた。 さらに腰にも鞘などを付けていて、何に使うのかとにかくガシャガシャと無駄に色々な道具を携えていた。 「……交渉人の選出が…おかしいから…だろうな…」 男はバレンを睨むような目を向けながら、それでも愉快そうに口を開いた。 「は、テメェが一番都合が良かったんだよ。‘あらゆる次元軸を操作できる’テメェがな。世界征服の交渉して、ダメなら、そいつを‘異なる世界軸に飛ばす’。そんなこと出来んのは今はテメェぐらいだからな。 次元の魔法を有効利用してやってる上に、世界征服の協力までさせてやってんだ。テメェは言うこと聞いてりゃいいんだよ」 「……まぁ…お前には勝てないからな…言うことを聞くだけさ…」 「は、自分の立場を理解してんな。いい子ちゃんだぜ。…さて、次だ。次は誰と交渉すんだよ?」 バレンはゆっくりと、席を立った。               ‐
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