2~parting~

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だが、不幸中の幸いか、自分はまだ死んでいない。恐らくではあるが、自分が死ぬ前にルーさん達が死ぬことはないだろう。 消せ、と言っていた割に、相手を殺さないメリットとは何なんだろうか。 とにかく、この落とし穴から脱出しなければ。 「………………」 そう思い、強く打った膝をさすりながら上を向いた。 だが。     ・ ・ ・・・・ 「………快…晴…だなぁー…」 てっきり、穴の中から上を見た時のように、空が小さくて、場合によってはそこからバレンがこちらを見下ろしたりしてるのでは、と思いつつ頭を持ち上げた訳だったのだが。 まったくもってそんなことなど何も無く。 空は広く広大で、自分は今明らかに穴の中には居なそうだった。 「……え?ちょっとまって?」 やっと異変に気が付いた健介は、膝をさするのも忘れて辺りを見回した。 今自分が座っているのは──芝のような野草の上。 そして周りは、まるでアルプスの少女がヤギと一緒にいるんじゃないかと思えるような広い広い緑の大地。 アルプスと違うのは、そこまで標高が高くなさそうだということと、健介から見て左側に森があることだろうか。               ‐
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