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その日も 青空が広がっていた。
真夏の暑さも私は好きだ。
じりじり アスファルトを照り付ける太陽や ジージー騒ぐ蝉たちの声すら 『夏休みは もうすぐだ!』と 励ましてくれているようで嬉しかった。
「コノミ~!おっはよー」
向こうから 親友の諸星歩(もろぼし あゆむ)が駆け寄ってくる。
今日も バッチリメイクに 可愛いピアス。
かなり短くしてある変型スカートも決まっていて ホントに歩は女の私から見ても可愛い。
「ってか 今日もあち~ねー。こんなに 日にあたったりしたら 日焼けしちゃうじゃん。日焼け止めも 効かねーつうの」
「でも もうすぐ夏休みってなったら 嬉しくなったりしない?」
「しな~い。それより 早く夏休みになれ~ってかんじ」
うへーっと 歩はブラウスのボタンを一つあけるとパタパタと手で風を送りこんでいる。
「歩っ。やめなよ…見えちゃうってば」
私が居る場所からも歩のかわいいブラのレースが見えて真っ赤になって注意した。
「はいはい。コノミは真面目ちゃんだからね」
歩はボタンをかけ直し襟を正した。
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