アビリティー

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遙の両親は五年前に 交通事故で亡くなった。 今は小さな田舎町に 一人暮らし。 学校は近くの街にある 県立の西河高校に 通っている。 両親の保険金があるにはあるが 遙はバイトをして 学費と食費を稼いでいる。 だから部活はしていない。 だが、 バイトが土木関係を しているため 運動不足にはなっていない。 ちなみに剣道をやっていたため 毎朝の20分は 素振りをしている。 そんな遙には兄妹(姉弟) のように育てられた 幼なじみがいる。 姉の葉月 音芽。   ハヅキ オトメ 妹の葉月 寝音。   ハヅキ ネオン 美人姉妹として知られている 遙にとって自慢の幼なじみ。 だからこそ言えない秘密が 2つ遙は隠していた。 【自分のカロリーを 相手の傷を治す為に使える。】 【触れた相手の心を癒やす。】 端から見れば羨ましい能力。 だけど遙にとっては 無くしたい程嫌な能力。 理由は簡単なこと。 人にない能力は 人を怖がらすだけ。 そのおかげでいじめられ すべてを失いかけた。 自慢だった二人とも距離を置き 迷惑をかけないようにした。 うざったい自己犠牲の精神。 だから遙は独りになった。 だから残ったのは能力だけ。 忌み嫌う能力だけ。 結局のところ どうしようもないことだ。 だから遙は受け入れた。 自分のすべてを。 それが遙の出したたった一つの 答えだから。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
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