第二話 『裁判』

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私は定年間際の裁判長。 殺人、強盗、窃盗など、様々な事件の裁判を経験してきた。 しかし、最近は裁判の内容が変わった。 判決はなんと、傍聴人の多数決で決められるのだ。 それも事件には全く関係のない人々だ。 被害者家族、加害者家族などではなく、客観的に判断してもらうためだ。 無作為に抽選された10人の男女に、死刑か、それとも無期懲役か、それとも無罪か、すべて多数決で決めてもらう。 何年か前に作られた裁判員制度を真似して作られた制度だが、それよりも酷いものだ。
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